① 変形性膝関節症とは
変形性膝関節症は、加齢とともに膝関節の内側の軟骨がすり減り、大腿骨と脛骨が直接当たることで痛みが生じる疾患です。だんだんとO脚になり膝の内側が痛くなるのが典型的な経過で、よく知られています。まれにX脚になり外側が痛くなるタイプもあります。
主な症状:
・膝の内側(またはまれに外側)の痛み
・関節に水がたまる(関節水腫)
・膝が完全に伸びなくなる
・膝がうまく曲がらなくなる
・歩行が困難になる
② 原因(原発性・続発性)
原発性
- 他に明らかな原因なく徐々に進行するもの
- 加齢・肥満・遺伝などが関係
- 変形性膝関節症の大部分を占める
続発性
- けがや他の疾患に続いて起こるもの
- 半月板損傷後
- 前十字靭帯損傷の放置後
- 内側半月板後根断裂後
(急速に進行することがある)
⚠️ 近年、内側半月板後根断裂に続いて変形性膝関節症が急速に進行するケースが知られるようになってきました。また、若年での変形性膝関節症では、原因になる半月板損傷・前十字靭帯損傷の早期治療が予防に重要です。
③ 診断
以下の所見を組み合わせて診断します。
診察(外観・可動域)
O脚などの外観上の変形・関節水腫の有無・可動域制限(伸展・屈曲)を確認します。
レントゲン
大腿骨と脛骨の関節裂隙の狭小化・骨棘の形成を確認し、重症度(grade)を評価します。
MRI
半月板損傷・軟骨損傷の程度を詳しく確認するために撮影します。レントゲンでは見えない情報が得られます。
超音波(エコー)
当院では半月板の逸脱(飛び出し)の程度をエコーでリアルタイムに確認することもあります。
④ 治療(保存療法)
まず痛みのコントロールとリハビリを行います。痛みがあると体重をかけなくなり筋力低下・骨粗鬆症の進行につながるため、鎮痛は非常に重要です。
薬物療法・注射
- 内服薬・湿布による消炎鎮痛
- ヒアルロン酸注射(関節の潤滑・クッション作用)
- 関節水腫・強い痛みにはステロイド注射
リハビリテーション
- 可動域訓練(膝の曲げ伸ばしの改善)
- 大腿四頭筋などの筋力強化
- 装具・インソールによる荷重軽減
痛みはよくなったり悪くなったりを繰り返しながら、徐々に進行していきます。症状に応じて無理のないペースで治療を続けることが大切です。
ラジオ波治療(神経焼灼術)
全身状態が悪いなどの理由でどうしても手術ができない方、または手術を希望されない方で痛みがつらい場合には、神経をラジオ波で焼くことで鎮痛を図る方法があります。保険適応があります。当院では採用していませんが、ご希望の場合はラジオ波治療を行っている施設をご紹介します。
⑤ 手術療法
⚠️ 手術の判断は画像上の変形の程度だけで決めるものではありません。本人の痛みや生活のしにくさが強くなったときに行うものです。外から見て変形が強くても、本人が納得して生活できているなら手術しなくてもよいと考えています。
手術が必要と判断された場合は、以下のような方法があります。年齢・変形の程度・生活スタイルに応じてご本人に合った方法を提案します。
骨切り術(HTO・DFO)
脛骨や大腿骨を切って体重がかかる位置を変え、痛みの少ない部分に荷重を移す方法です。比較的若い方(50〜60代)で軟骨が残っている場合に適応になることが多いです。ACL損傷を治療しなかった方、内側半月板後根断裂の方、若年時に外側半月板の切除を受けた方がなることが多いです。自分の膝を温存できる点が特徴です。
人工膝関節置換術(TKA・UKA)
傷んだ軟骨・骨を人工関節に置き換える手術です。全てを置き換える方法(TKA)と、単顆型つまり半分だけ置き換える方法(UKA)があります。アプローチ方法やロボット支援手術を併用するかどうかなど、さまざまな選択肢があります。
💡 手術は連携病院(福井県立病院・福井総合病院・福井済生会・福井日赤など)にてご紹介します。術後のリハビリ・外来は当院で継続して行うことも可能です。
⑥ 当院での対応
当院での対応
- 診察・レントゲン・オープン型MRI・エコーで丁寧に評価
- ヒアルロン酸・ステロイド注射(超音波ガイド下)に対応
- 理学療法士によるリハビリテーション
- 手術が必要な場合は連携病院へご紹介し、術後リハビリは当院で継続
- ラジオ波治療を希望の場合は対応施設をご紹介
- 予約不要・当日受診可
膝の痛み・変形でお困りの方へ
「年だから仕方ない」とあきらめずにご相談ください。
痛みのコントロールから手術後のリハビリまで一貫して対応します。