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① 概要

オスグット病(オスグット・シュラッター病)は、成長期の子どもに多い、膝のお皿(膝蓋骨)の少し下にある「脛骨粗面」が痛くなる疾患です。ジャンプやダッシュの多いスポーツで太ももの筋肉が脛骨粗面を繰り返し強く引っ張ることで、成長途上の未熟な脛骨粗面が部分的に剥がれてしまうことで生じます。

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成長期が終われば自然に痛みが消えることがほとんどですが、放置して悪化させると回復が遅くなります。早めの診断・適切なストレッチで競技を続けながら管理することが重要です。

② 原因・メカニズム

オスグット病が起きやすい時期は、身長の伸びが著しい時期と一致しています。男子は13歳前後、女子は11歳前後に身長の伸びが最も急速になります。このとき骨は急激に伸びますが、筋肉・腱はその速度に追いつけず、相対的に固くなります(タイトネスの上昇)。

特に下肢の伸びの約70%が膝周囲で起きるため、大腿四頭筋とハムストリングのタイトネスが上昇しやすいとされています。また、下腿三頭筋(ふくらはぎ)のタイトネスが高まり足関節の背屈が制限されると発症しやすくなるという報告もあります。[1][2]

膝の伸展筋力の増加と、固くなった筋腱による牽引力の増大が重なることで、弱い脛骨粗面が少しずつ剥がれていきます。一方、ハムストリングスの筋緊張は低下するとの報告があります。[3]

成長痛とは異なります。成長痛は夜間に下肢全体が痛み翌朝には回復しますが、オスグット病は同じ部位(脛骨粗面)が運動中・運動後に繰り返し痛みます。経過を見ていても自然には改善しません。

③ 症状・受診のタイミング

  • 膝のお皿の少し下(脛骨粗面)を押すと痛い
  • ジャンプ・ダッシュ・スクワット・階段で痛みが増す
  • 脛骨粗面の隆起(こぶのような出っ張り)が目立つようになる
  • 下肢全体の柔軟性の低下(前屈が硬くなるなど)

スポーツを続けながら様子を見ている間に悪化しているケースが少なくありません。「運動を休むよう言われると困る」という思いから、かなり進行してから受診するケースもあります。早めに状態を把握することで、休まずに済む対応策が取れることもあります。

膝のお皿の下が痛い・押すと痛い・柔軟性が落ちてきた、という場合はお早めにご相談ください。

④ 診断

身体所見(脛骨粗面の圧痛・下肢のタイトネスの評価)に加え、必要に応じて以下の画像検査を行います。

  • レントゲン(X線):脛骨粗面の不整像(表面がでこぼこしている状態)を確認します。ただし初期や軽症では異常が出にくいことがあります。
  • 超音波検査:脛骨粗面の状態をリアルタイムで確認でき、血流の増加(炎症の有無)も観察できる非常に有用な検査です。その場で「今どの段階か」を把握できます。特に、膝蓋腱あるいは膝蓋腱浅層にある浅膝蓋下滑液包の炎症が疼痛に関与しています。[4]

超音波による脛骨粗面の発育段階分類

  • S期(Sonolucent stage):骨が最も未熟な段階
  • I期(Individual stage)  :骨が形成されはじめる段階
  • C期(Connective stage) :骨が連結してくる段階

I期からC期にかけてオスグット病が発生しやすいと考えられています。どの段階かを確認したうえで、痛みの状況と合わせながら治療方針を決定します。

⑤ 治療方針

治療の基本は安静タイトネスを改善するストレッチです。

ストレッチ(最も重要)

固くなった筋肉のタイトネスを取り除くことが根本的な対処になります。以下の3つを継続して行います。

  • 大腿四頭筋のストレッチ:膝を曲げてかかとをお尻に近づける動作
  • ハムストリングのストレッチ:膝を伸ばしたまま前屈する動作
  • 下腿三頭筋のストレッチ:ふくらはぎを伸ばす動作

ストレッチの継続がスポーツ復帰への第一歩です。タイトネスが改善されることが復帰の目安になります。しっかりと続けてください。

スポーツ活動の調整

痛みの強さに応じて徐々にスポーツへの復帰を許可します。画像検査では痛みの強さを評価できないため、本人の自己評価を重視しながら進めます。

痛みが残っている段階で無理に復帰すると症状が再燃・悪化します。タイトネスが改善し、運動時の痛みが軽減したことを確認してから復帰するようにしましょう。

局所注射

痛みが非常に強い場合には、局所注射を行うこともあります。初診時に膝蓋下脂肪体に血流シグナルを認めていた症例では疼痛が残存しやすい傾向にあり、その際は注射を勧めています。[5]

成長が終わった後について

成長期(骨端線閉鎖前)が終わると自然に痛みが消えることがほとんどです。ただし、まれに骨片が残存して成人になっても痛みが続く「遺残性オスグット」になることがあります。なかなか改善しない場合は再度ご相談ください。

⑥ 当院での対応

当院での対応

  • 院内超音波検査で脛骨粗面の発育段階・炎症の有無を迅速に評価
  • 日本スポーツ協会公認スポーツドクターが診察
  • 下肢タイトネスの評価とストレッチ指導を行います
  • 痛みが強い場合は局所注射にも対応
  • スポーツを続けながら管理できるよう、競技スケジュールに合わせた対応を提案します
  • 予約不要・当日受診可

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監修 院長 大橋義徳(整形外科専門医・医学博士・日本スポーツ協会公認スポーツドクター)

参考文献

  1. Nakase J, Goshima K, Numata H, Oshima T, Takata Y, Tsuchiya H. Precise risk factors for Osgood-Schlatter disease. Arch Orthop Trauma Surg. 2015;135(9):1277-1281. doi: 10.1007/s00402-015-2270-2
  2. Sarcevic Z. Osgood-Schlatter disease: Ill-defined entity or well defined condition? Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2008;16:726-728. doi: 10.1007/s00167-008-0560-8
  3. Nakase J, Aiba T, Goshima K, Takahashi R, Toratani T, Kosaka M, Ohashi Y, Tsuchiya H. Relationship between the skeletal maturation of the distal attachment of the patellar tendon and physical features in preadolescent male football players. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2014;22(1):195-199. doi: 10.1007/s00167-012-2353-3
  4. 中瀬順介, 大橋義徳, 沼田仁彬, ほか. オスグッド・シュラッター病の超音波所見と疼痛の関連性. 日本整形外科超音波学会誌. 2014;26:78-80.
  5. Nakase J, Oshima T, Takata Y, et al. No superiority of dextrose injections over placebo injections for Osgood-Schlatter disease: A prospective randomized double-blind study. Arch Orthop Trauma Surg. 2020;140:197-202. doi: 10.1007/s00402-019-03252-1
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