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① 概要

シンスプリントは、走る動作の繰り返しによってすねの内側(脛骨内側)に痛みが生じる過労性障害です。正式名称は「脛骨過労性骨膜炎(Medial Tibial Stress Syndrome:MTSS)」といいます。

陸上競技や球技スポーツで走り込みが増えた時期、特に競技を始めたばかりの選手や練習量が急増した時期に発症しやすい疾患です。

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シンスプリントと疲労骨折は症状が似ており、自己判断は禁物です。適切な画像検査で鑑別することが、正しい治療と早期復帰につながります。

② 原因・メカニズム

シンスプリントが生じるメカニズムには複数の要因が関与しています。主な原因として以下が挙げられます。

内的要因(体の特性)

  • 足部の回内(オーバープロネーション):着地時に足首が内側に倒れすぎる
  • 下腿・足部の筋力不足・柔軟性低下
  • 扁平足:足のアーチが低く、地面からの衝撃が分散されにくい
  • ふくらはぎ(下腿三頭筋)や足底筋群のタイトネス上昇

外的要因(環境・練習)

  • 練習量・走行距離の急激な増加
  • 硬い路面(アスファルト・体育館の床)での練習
  • クッション性の低いシューズの使用
  • 上り坂・下り坂の多いコースでのランニング

新入部員や練習再開直後の選手に多い疾患です。「走り込みを増やしたらすねが痛くなった」という場合は早めに受診してください。疲労骨折の場合、完全骨折に進行することがありますし、治癒まで半年以上かかることもあります。

③ 症状・受診のタイミング

  • すねの内側(脛骨の下1/3あたり)を押すと痛みが広い範囲に出る
  • 走り始めや走行中・走行後に痛みが出る
  • 初期は運動後のみ痛むが、進行すると安静時にも痛む
  • すねの内側が腫れぼったく感じることがある

疲労骨折では「ピンポイントで押すと強く痛む」「骨をたたくと響いて痛い」ことが多いのに対し、シンスプリントでは「広い範囲を押すと痛む」ことが特徴です。ただし症状だけでは判断が難しいため、画像検査(MRIまたはエコー)での確認が重要です。

④ 診断・疲労骨折との鑑別

シンスプリントの診断で最も重要なのは、疲労骨折との鑑別です。症状が似ていても治療方針が大きく異なるため、画像検査が必須です。

  • レントゲン(X線):疲労骨折の初期には異常が出にくいことが多く、シンスプリントとの鑑別には不十分なことがあります。
  • MRI:骨膜・骨髄の浮腫(炎症の程度)を確認でき、疲労骨折との鑑別に有用です。シンスプリントでは骨膜に沿った浮腫が広範囲に見られます。
  • 超音波検査:骨膜の肥厚や血流の増加をリアルタイムで確認できます。疲労骨折の疑いが低い場合の初期評価として有用です。

シンスプリントと疲労骨折の違い(目安)

  • 押したときの痛みの範囲:シンスプリント=広い範囲 疲労骨折=ピンポイント
  • 安静時の痛み:シンスプリント=少ない 疲労骨折=あることが多い
  • レントゲン:シンスプリント=ほぼ正常 疲労骨折=骨折線が出ることも
  • MRI所見:シンスプリント=骨膜に沿った広範囲の浮腫 疲労骨折=骨髄浮腫・骨折線

「たぶんシンスプリントだろう」と自己判断して練習を続けると、実は疲労骨折だったというケースがあります。完全骨折に至ると復帰に数か月かかることも。早めの受診で正確な診断を受けてください。

⑤ 治療方針

シンスプリントの治療は保存療法が基本です。疲労骨折との鑑別がついた上で、症状の程度に応じて以下を組み合わせます。

練習量の調整・休息

原因となっている走行量を一時的に減らすことが最も重要です。完全に練習を止める必要はないことが多く、痛みが出ない範囲での練習継続を検討します。

ストレッチ・筋力強化

下腿のタイトネスを改善し、足部・下腿の筋力を高めることで再発を予防します。

  • ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)のストレッチ
  • 足底筋群のストレッチ
  • カーフレイズ(つま先立ち運動)による下腿筋力強化
  • 足部内在筋のトレーニング

インソール療法

足部の回内(オーバープロネーション)や扁平足が原因に関与している場合、インソール(足底板)による矯正が有効です。既製品から始めることもできますが、症状が強い場合は個別に作製することもあります。

アイシング・物理療法

炎症が強い急性期には運動後のアイシングが有効です。また超音波治療など物理療法を組み合わせることもあります。

再発予防が最も大切です。痛みが取れてもすぐに以前の練習量に戻すと再発します。フォームの改善・シューズの見直し・段階的な練習量の増加が再発防止のカギです。

⑥ 当院での対応

当院での対応

  • 院内超音波検査で骨膜の状態・血流をリアルタイムに評価
  • 院内オープン型AI搭載MRIで疲労骨折との鑑別を丁寧に診断
  • 日本スポーツ協会公認スポーツドクターが診察
  • 足部・下腿の評価とストレッチ・筋力指導
  • インソール療法の相談にも対応
  • 練習を続けながら管理できるよう、競技スケジュールに合わせた対応を提案します
  • 予約不要・当日受診可

すねの内側の痛みでお悩みの方へ

疲労骨折との鑑別が重要です。
自己判断せず、お早めにご相談ください。

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受付時間:平日 9:00〜12:30 / 13:30〜18:30 木・土 9:00〜12:30
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監修 院長 大橋義徳(整形外科専門医・医学博士・日本スポーツ協会公認スポーツドクター)

参考文献

  1. ※ 論文追加予定
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